魚はなぜくさい?生臭さの正体と手についたにおいを取る方法
魚の生臭さの正体や、時間が経つとにおいが強くなる仕組みを解説。トリメチルアミンなどのにおい成分に加え、手についた魚のにおいを取る酢水を使った方法や、鮮度を見極める際の注意点も紹介します。
この記事のポイント
- 手についた魚のにおいをとる方法はある?
- 水180mLに酢小さじ1を混ぜた酢水で手を洗い、そのあとに石けんと流水で手洗いする方法があります。[4]
魚はなぜくさいの?生臭さの正体と発生する仕組み
魚の生臭さには、トリメチルアミンなどの化学物質が関係しています。魚が死んだ後、細菌や酵素の働きで体内の成分が変化したり、脂質が酸化したりすると、さまざまなにおい成分が生まれます。[1][2]
魚のにおいは、ひとつの物質だけで決まるわけではありません。複数の化学物質が組み合わさることで、魚特有のにおいが生まれます。また、保存中に鮮度が低下すると、成分の変化によって不快なにおいが強くなることがあります。[2]
トリメチルアミン(TMA)
トリメチルアミン(TMA)は、魚の生臭さに関係する代表的な化学物質のひとつです。特に海産魚では、鮮度が低下するにつれてTMAが増えることがあり、魚特有の生臭さにつながります。[2]
海産魚の筋肉には、トリメチルアミンオキシド(TMAO)という物質が含まれています。魚が死んだ後、魚の体に存在する細菌などの働きによってTMAOが分解されると、TMAが生まれます。このような変化が、時間の経過とともに生臭さが強くなる理由のひとつです。[2]
TMAは空気中に広がりやすい性質を持っています。物質が液体などから気体になって空気中に広がることを「揮発」といいます。TMAが空気中に広がり、鼻に届くことで、私たちはそのにおいを感じます。
アルデヒド類やアルコール類
魚のにおいには、TMAのほかに、アルデヒド類やアルコール類と呼ばれる化学物質も関係しています。これらの一部は、魚に含まれる脂質が酸化することで生まれます。[1]
魚の脂質には、酸化しやすい脂肪酸が含まれています。脂質が酸素などの作用によって酸化すると、さまざまな揮発性物質が生まれ、魚のにおいに影響します。[1]
魚の種類によって脂質の組成などは異なり、保存条件によっても成分の変化は変わります。そのため、魚のにおいは種類や保存状態によって異なり、保存中に不快なにおいが強くなることもあります。
魚のにおいが強いときは鮮度にも注意
魚には種類ごとのにおいがありますが、強い生臭さや酸っぱいにおい、油が傷んだような酸敗臭、アンモニアのようなにおいがある場合は、鮮度が低下している可能性があります。[3]
ただし、においだけで安全に食べられるかどうかを確実に判断することはできません。魚を購入したら適切な温度で保存し、包装に記載された保存方法や期限を守りましょう。いつもと違う異常なにおいがする魚は、味見をせず、食べるのを避けてください。[3]
手についた魚のにおいを取る方法
魚をさばいたり、切り身を扱ったりすると、手に生臭さが残ることがあります。農林水産省は、酢水で手を洗ってから、石けんと流水で通常の手洗いをする方法を紹介しています。[4]
1. 酢水で洗う
農林水産省が紹介している酢水の作り方は、次のとおりです。[4]
- 水:180mL
- 酢:小さじ1
水に酢を混ぜ、魚を調理した後の手を洗います。そのあとに石けんと流水で手洗いすると、魚の臭みが抜けやすくなります。[4]
手荒れや傷がある場合は使用を控え、刺激や痛みを感じたら使用を中止してください。
2. 石けんと流水で洗う
酢水で洗った後は、石けんと流水で手を洗いましょう。手のひらや手の甲だけでなく、指の間、親指、爪の周りまで丁寧に洗い、最後に十分にすすぎます。[5]
魚を扱った後の手洗いは、においを落とすためだけでなく、食中毒の原因となる微生物がほかの食品に移るのを防ぐためにも大切です。生の魚を扱った後は、石けんと流水でしっかり手を洗いましょう。[5]
まとめ
魚の生臭さには、トリメチルアミンなどの化学物質や、脂質の酸化によって生まれる物質が関係しています。魚が死んだ後に起こる成分の変化や保存状態によって、においが強くなることがあります。
手についた魚のにおいを取るには、水180mLに酢小さじ1を混ぜた酢水で洗い、そのあとに石けんと流水で手洗いする方法があります。一方、魚から酸っぱいにおいや油が傷んだようなにおい、アンモニアのようなにおいがする場合は、食べるのを避けましょう。
よくある質問
- 魚が強く臭うときは食べても大丈夫?
- 強い生臭さや酸っぱいにおい、油が傷んだような酸敗臭、アンモニアのようなにおいがある場合は、食べるのを避けてください。米国食品医薬品局(FDA)は、傷んだ魚介類では、こうした異常なにおいが加熱後に強くなることがあると説明しています。[3]
- 魚は加熱すれば生臭さがなくなる?
- 傷んだ魚介類では、異常なにおいが加熱後に強くなることがあります。異常なにおいがする魚は、加熱しても食べないでください。[3]
参考文献・出典
- Liu, L. et al. “Research progress of fishy odor in aquatic products: From substance identification, formation mechanism, to elimination pathway.” Food Research International, 178, 113914(2024年) https://doi.org/10.1016/j.foodres.2023.113914
- Speranza, B. et al. “Innovative Preservation Methods Improving the Quality and Safety of Fish Products: Beneficial Effects and Limits.” Foods, 10(11), 2854(2021年) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8622261/
- U.S. Food and Drug Administration(FDA)“Selecting and Serving Fresh and Frozen Seafood Safely” https://www.fda.gov/food/buy-store-serve-safe-food/selecting-and-serving-fresh-and-frozen-seafood-safely
- 農林水産省「魚を美味しくおうちごはん」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2411/spe1_04.html
- 農林水産省「ちゃんと手を洗っていますか?」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/handwash.html
運営・編集:におい展実行委員会
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